天満屋事件
- 年月
- 慶応三年(一八六七)十二月七日
- 紹介
- この事件は、紀州藩士三浦休太郎が、六条油小路花屋町にある天満屋で陸奥陽之助(宗光)、中井庄五郎、松島和助、関雄之助ら二十人に襲われた事件である。
この背景には、慶応三年四月のいろは丸事件での紀州藩と海援隊の対立がある。いろは丸事件は、紀州藩が賠償金を支払うことで決着がつく。しかし三浦はこれに不満を持ち、龍馬を斬ったという風説が流れる。これに怒った陸奥ら海援隊士は、三浦暗殺を計画する。身の危険を感じた三浦は紀州藩を通じて新選組に護衛を依頼した。三浦を護衛した隊士は副長助勤斎藤一、調役大石鍬二郎、宮川信吉、中村小二郎、中条常八郎、梅戸勝之進、船津釜太郎の七人である。 - 引用リスト
新選組 二千二百四十五日
- 新撰組が会津藩預かりに決定してから箱館戦争で土方歳三が討死するまでの二千二百四十五日間をタイトルにした一冊です。新撰組の数多くのエピソードを細かく章立てにし、史実をもとに綴られています。
- 紀州藩の歴史書「南紀徳川史」にも残る天満屋事件についての記述を紹介した一節です。
- 土方副長の残した「豊玉発句集」の好きな句、嫌いな句アンケートの結果なんかも載ってます。恋の道を読んだ有名なあの句は何位かな。
- 新撰組のエピソードの史料を凝縮したような内容かの。新撰組の特徴をよく表しているが、小説では見せ場にならない様なエピソードが多く載ってて興味深いぞ。
- 2245日って、6年ちょっとか。長いような短いような…
新選組残夢剣 人間の剣 幕末維新編(3)
「だれか落とし主はいないか」 見まわしたが、隊士に手首を切り落とされた者はいない。後日、竹中与一のものとわかった。だれが斬ったのか判然としない。 「そそっかしいやつがいるものだな。大事な手首を落としていくとは」 大石は不敵に笑うと、かたわらに転がっていた刺身皿の上にひょいと乗せた。 |
- 本書は一振りの剣が歴史の要所々々に関わり展開する物語です。この一節は、その中で天満屋事件での大石鍬次郎の台詞です。
- 天満屋事件の記載は冒頭の少しだけですね。
- 剣を通して、幕末の細かなポイントが凄惨に描かれておる。沖田最期のシーンも見所かの。
- シリーズものの中の一冊だね。
新選組(下)
天満屋事件では、土佐側は中井庄五郎が討ち死にしたほか全員負傷、新選組は宮川信吉が討ち死に、梅戸勝之進が重傷を負った。宮川の遺族に対しては紀州家から四十二両という半端な額の慰謝料が贈られた。隊士はこれを「死に料」と呼んだ。 |
- 天満屋事件で討ち死にした宮川信吉についての描写です。
幕末
中井は間合をはかりぞこねた。 「わっ」 と立ちあがった三浦の面上を割るにいたらず、眼の下の肉をわずかに裂いた。 と、そのときが中井の最期だった。三浦の横にいた新選組三番隊長斎藤一が、ほとんど同時に中井に抜き打ちをあびせ、左頸筋から胸にかけてざくりと割った。 |
- 本書に収録されている「花屋町の襲撃」の一節です。海援隊の陸奥陽之助が、坂本龍馬の仇討ちに奔走します。陸奥らは、仇を紀州藩三浦休太郎と決め、それを警護する新選組と天満屋で激突することになります。
- 短編で、天満屋事件のことがわかりやすく読めるね。
- 坂本殺害の現場に残された鞘を原田左之助のものと看破する伊東甲子太郎はなんとも不信じゃのう。
- 屋内での戦いに慣れている新撰組が一枚上手か。