近藤勇
- 役名
- 局長
- 流派
- 天然理心流剣術
天然理心流は「天に象り地に法り、以て剣理を究める」ことを真髄としている。遠州生まれの近藤内蔵之助長裕によって創始され、三助方昌、周助邦武を経て近藤勇昌宜に伝承された。近藤勇は天然理心流の第四代ということになる。 - 出身
- 武蔵国多摩郡上石原町
- 紹介
- 嘉永元年十月に天然理心流近藤周助の門人となり、文久元年に天然理心流四代目宗家、試衛館道場主となる。
文久三年二月、幕府の浪士組徴募に応じ上洛し、三月、壬生浪士組を結成する。同年九月の芹沢鴨一派粛清の後は、名実ともに新撰組局長となり風雲に身を投じていく。 - 引用リスト
FOR BEGINNERS シリーズ 新選組
彦五郎の赦免を取りつけるには、包囲軍と壮烈に斬りあい、討死にするわけにはいかなかったのだ。近藤が言い出したのか、土方が言い出したのかは難しいが、近藤の出頭はこうして決まったのだ。したがって土方は、近藤の責めを軽くしてもらいながら、なおかつ、彦五郎の完全赦免を取りつけるという、綱渡りを強いられていた。 |
- 引用の一節は、近藤勇が流山で官軍に投降した理由は囚われていた佐藤彦五郎の赦免を取りつけるためでもあったのではないかとの解説です。
FOR BEGINNERS シリーズ 新選組
京に住む佐久間象山と近藤勇とを引き合わせたのは誰だろう。京都の江川家臣団、それも家臣団のトップである柏木総蔵だったのではないか。 |
- 引用の一節は、佐久間象山と近藤勇を引き合わせたのは柏木総蔵だったのではないかとの解説です。
FOR BEGINNERS シリーズ 新選組
佐久間象山と交わり、秋山佐蔵と歓談していた近藤が、欧米の優位と、開国の必要に無理解なはずはない。それでもこうして再確認に行き、丁寧な謝辞を述べる。その結果、良順を新選組の支援者にしてしまう。私たちは近藤のこうした姿勢を再評価する必要がありそうだ。 |
- 引用の一節は、無骨一辺倒なイメージのある近藤勇ですが新しい知識を得ることにも積極的だったとの解説です。
新撰 京の魅力 新選組、京をゆく
帰路、伏見墨染まで来たところ高台寺党の連中が一行を鉄砲で狙撃した。これが近藤の肩にあたり負傷、馬にしがみつきながら逃げた。石井と久吉は撃たれて死亡。慶喜は一報を受けるや侍医の松本良順を伏見までさし向け治療させ、さらに自用の寝具まで送った。松平容保も医者を見舞におくった。近藤勇への信頼度がいかに高かったかが想像できる。 |
- 京都の新撰組関連の地や歴史をたくさんの風景写真や史料写真とともに解説されている本です。
- 引用の一節は、伏見墨染で狙撃された近藤勇を手厚く見舞う将軍慶喜と松平容保についての説明です。
- 写真がイッパイで、紹介文の文量もそんなに多くないので読みやすいです。ただちょっと前の本なので今とは違う部分もあるみたいですね。
- 「新選組、京をゆく」というタイトル通り京都の新選組に関係する場所の地図や史跡情報がまとめられておるので、観光する際の参考にもなるのう。
- 史料とか史跡って見に行っても写真とれないとことかあるから、こういう本好きだな~
漂流巌流島
新選組局長近藤勇、この年三十一歳。普段の声はずいぶんと細く、低かったが、いざ剣を取っての勝負となるとその掛け声の鋭いこと凄まじく、相手の腹の底までぴいんと響くほどだったという。この時の近藤の声はまさに細く低く鋭く、皆の胸に力強く響いた。 |
- 本書に収録されている「慟哭新選組」では、池田屋事件を近藤勇が起こした理由はなにかというテーマで語り合います。他にも巌流島、忠臣蔵などの解釈についても書かれてる短編集です。
- 池田屋事件での近藤勇の掛け声についての記述です。
- あまり歴史を知らなくても丁寧に説明されているのでわかりやすかったです。
- 色々な文献などから当時の近藤勇の心情を推測していく流れがミステリー小説を読んでいるようでおもしろかったのう。
- こういう、なんかの事件があった理由は何かって友達同士で話し合っても楽しいよね。
ひなたの狼 新選組綺談(5)
「やらなきゃいけねぇ事が人には言えねぇ様になってきた 偉くなるってこういう事か…?」 「……じゃあやめる?」 「……いや…どこまでできるかやってみたい なぁ歳 一国一城の主になるには どれだけこういう事を乗り越えていくのかな」 |
- ひなたの狼最終巻です。新見錦切腹、芹沢鴨暗殺、この二つの事件が主に描かれており、近藤派新選組の体制が出来上がったところで物語は終わります。
- 引用の一節は、芹沢鴨暗殺という場面を迎えて綺麗事だけでは済まないことを感じつつも覚悟はできている近藤勇の台詞です。
- 芹沢さん、新見さん、お梅さんの優しい気持ちの部分も描かれていたから、近藤さん一派に粛清されてしまったあとは切ない感じでした。
- 5巻で浪士組上洛から芹沢鴨暗殺までと、丁寧に隊士たちの日常が描かれたお勧めの作品じゃ。
- 続きも読みたいね。
ひなたの狼 新選組綺談(1)
「俺は帰らねぇ」 「……な 君は国事というものが…」 「筋が違うだろうよ 俺達は公方様の警護をするってことで浪士組に加わったんだ 当初の目的も果たせねーうちに江戸に帰ってどうする 俺は多摩の人間だ 天領の領民が公方様放っぽって帰るなんてこたあできねぇ だから残る」 |
- 女性のような容姿の土方歳三が主役の漫画です。一巻は浪士組が京に向かうところから近藤、芹沢らが京都残留を宣言するところまでが描かれています。
- 引用の一節は清河八郎が浪士組を江戸に戻そうとする場面で、断固拒否する近藤勇の台詞です。
- 試衛館メンバーも、芹沢さんもみんな飄々としててなごむんだけど、真剣な場面だとすごく迫力があってそのギャップがいいです!
- 登場人物の顔が似ているのか特徴を掴みづらいのか最初見分けがつきにくかったのう。
- カバーめくったとこにも漫画があった。あと、永倉原田藤堂が旅のしおり作るとか笑った。
輪違屋糸里(下)
俺には勇さんの胸のうちが痛えほどわかった。あの人は芹沢さんが好きなんだ。俺たちが夢に見る尊皇攘夷の志士だし、根はけっして悪いやつじゃねえ。それに、貧乏な俺たちを何だかんだと食わしてくれていたのもたしかだった。 |
- 芹沢暗殺を命ぜられた近藤勇が芹沢鴨を慕っていることを語る土方歳三の台詞です。
幕末テロリスト列伝
近藤はみずから政治の場へ出てゆくが、それは幕藩体制に望まれてのことでもあった。攘夷派の反対を押し切って兵庫開港を強行した幕府目付の原市之進が暗殺されたとき、公武合体派の賀陽宮は、会津藩の秋月悌次郎をまねき、原の後任に近藤勇はどうか、と伝えたらしい。政治家としての近藤の名声と力量をあらわすエピソードといえよう。 |
- 政治家としての近藤勇を評する描写です。
歳三奔る 新選組最後の戦い
江戸城から戻った近藤は、土方の変容を見て、 「歳、どうした? 官軍にかぶれたか?」 明るくそう言っただけであった。 土方は、黙って頷くだけだった。 |
- 洋装になった土方歳三に軽く声をかける近藤勇の描写です。あまり気にしていない様子が良いですね。
史伝 新選組
甲府へ行って板垣退助の指揮する官軍に敗北したところまでは、多くの証言が残っているのだが、そのあと流山で近藤がどうして官軍に出頭することになったのか、いろいろな証言はあるのだが、新選組の局長だった近藤勇ともあろうものが官軍に降伏した心理について、誰もが納得できる説明になる証言は何もないのである。 |
- 近藤勇がなぜ流山で投降を選択したか、納得のいく理由は判明していないとする記述です。
- 近藤勇を新撰組の御輿とするならば、新撰組の躍進とともに御輿はどんどん豪華に大きくなっていき、それに伴い担ぎ手も力のある者で数も多く必要になる。流山で逃げ、その後転戦したとしても側近にかつて頼みにしていた沖田、井上、山南、永倉、原田は無く、豪華な御輿となった近藤を担げるだけの担ぎ手は確保できない。そう考えたら、近藤勇として生きるためには流山で投降するしかなかったのかもしれないね。
新選組(上)
沖田の刀の鋩子が折れ、永倉の刀も折れている。一見人剣共に無傷なのは近藤だけである。周平の姿は見当たらない。 「逃がすな」 階下に合流した四人目がけて志士勢が一挙に包囲の環を縮めてきた。 「おれたちが逃げるだと」 朱にザブ漬けになったように全身に返り血を浴びた近藤が、悽愴な笑みを頬に刻んだ。 「藤堂と総司、しばらく外に出ていろ。ここはおれと新八でしのぐ」 |
- 近藤勇の幼少期から、新選組結成、池田屋事件などを経て武田観柳斎暗殺までが描かれています。試衛館に後の新選組幹部となる面々が訪ねてる場面や、浪士組が上洛する際の色々な揉め事、土方歳三が福島藩士を助ける場面など細かいエピソードも多く書かれています。
- 引用の一節は池田屋事件での近藤勇の台詞です。
- お梅さんが嫌われものでなくちょっと家庭的な感じで書かれています。
- 新選組を一枚板の集団としては描いていなく、隊を強化することだけに熱心で冷酷な土方、それに反感を持つ山南、永倉などとの隊内の衝突も描かれ、新選組は大切だが隊の方針は気に入らない、そんな関係が読み取れる。
- 将軍をやりたくない徳川家茂、わかっちゃいるのに貧乏くじを引いてしまう松平容保、山南敬助の心情描写が結構あっておもしろいね。
新選組風雲録 激闘篇
「土方さんの流儀でいけば、喧嘩は気合いだからな。お手当がなけりゃ、喧嘩はできねえなどと、おれらが云いだしたりしてみろ。とたんに張りたおされちまうぜ」 「歳さんてえのは……」 ぼそっと近藤が云った。 「そういう男なのだ」 |
- 土方歳三について語る近藤勇の描写です。
虎狼は空に 小説新選組
- 壬生浪士組結成から、鳥羽伏見の戦いまでの人斬り集団新選組の物語です。あくまでも近藤派新選組強化のために残忍な手段も問わず突き進む新選組が描かれています。引用の一節は、池田屋事件で多数の志士を相手に奮戦する近藤勇の描写です。
- 沖田さんの恋のお話も書かれています。
- 幹部隊士はもちろん、多くの平隊士についても色々なエピソードが描かれていておるぞ。また、人を斬る場面も細かく書かれており、刀の刃こぼれでその戦いぶりまで判断できるなど、興味深い内容じゃった。
- 残酷だったり、血なまぐさい話が続くんだけど、その目的や欲望が真っ直ぐだと快活に感じてしまうね。こわいけど。
新選組 新選組をつくった男たち
「官軍といったって、いろんな藩のよせあつめだ。あんたの顔を知ってるやつなどいやしない。あくまでも大久保大和でとおして、時間かせぎをしてくれれば、そのあいだに、おれは隊士たちをつれて、会津にむかうことができる」 勇は、思わず歳三を見た。歳三のいっていることは、自分のために、新選組の近藤勇という名も、武士としてのさいごの名誉もすててくれということだった。 「よし、わかった」 |
- わかりやすい文面で新選組の歴史が丁寧に書かれている本です。全体的にさらっとした表現で斬り合いや残酷なシーンなどの記述は軽めです。この一節は、流山で切腹しようとする近藤勇と土方歳三の会話の一節です。
- 文字が大きいし、漢字にはよみがながふってあるから、小さなお子さんや新選組に興味をもったばかりのひとにもおすすめかな。
- 引用した部分だけじゃと、土方が近藤を見限っているようじゃが、時間稼ぎしている間に近藤を助けるための方便じゃったんじゃ。しかしそれを知らずに受け入れる近藤の男気はあっぱれじゃ。
- THE新選組教科書って感じ。
近藤勇白書
「永倉君……」 勇は近づいていき、永倉新八の肩を抱くようにして、 「ながい間よく辛抱してくれた。局長として礼をいいます」 こころから、いった。 これだけで、二人の胸には通じ合うものがある。 |
- 近藤勇の試衛館道場主時代から、激動の京都時代、そして甲州、流山まで近藤勇の生涯が綴られているよ。試衛館時代からの隊士との人間味のあるやりとりも楽しめるよ。
- 近藤さんが永倉さんとばっかり仲良くして、平助くんのことがあまりよく書かれてない!
- 近藤勇の人柄がよく書かれているが、できればもっと深く掘り下げてほしかったものじゃ。
- 飯田金十郎という剣客の勝ち組王道サクセスストーリーです。