会津新撰組
- 紹介
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土方が負傷療養中ということもあり「吾々隊は元斎藤四郎(一)と申す古参人、仮に隊長となり」(近藤芳助書簡)の通り、新選組隊長には、京都時代に副長助勤で撃剣師範でもあった斎藤一こと山口次郎が就任した。山口は甲陽鎮撫隊に参加したものの、その後の動きは判然としないが、会津において戦功があり昇任して隊長となったとも伝えられる。
明治元年には閏四月があり、この閏四月から七月にかけて新選組は、主に白河口の戦闘に参戦している。 - 引用リスト
新選組(下)
仙台軍が平潟口や白河口で見せた腑甲斐なさは、列藩同盟の盟主として大きな失望をかったものである。 「大鳥圭介や旧幕府の連中も会津を見限って、いよいよ会津は孤立無援ですね」 「孤立無援ではない。おれたちがいる」 山口がたったいま政府軍兵士の血を吸ったばかりの愛刀にびゅっと素振りをくれた。彼の剣は会津へ来てからますます凄みを発揮したようである。 |
- 森村誠一新選組の下巻です。油小路の変から、鳥羽伏見の戦い、そして箱館戦争を経て生き残った新選組隊士の明暗様々なエピローグまでが描かれています。
- 引用の一節は、援軍が来ようと来まいと会津への義理を果たすため、夜な夜な官軍に夜襲をかける斎藤一率いる新選組の描写です。
- 新選組最後の隊長相馬主計さんが、影の目的を持って入隊した隊士として描かれています。
- 新選組の名が伝説的に鳴り響いていてその名を聞けば敵はひるみ、白兵戦では無類の強さで局地的にではあるが戦場を圧巻する場面は良かったのう。
- 誰に肩入れしてるでもない様な内容だから、落ち着いた感じで読めるね。