武田観柳斎
- 役名
- 副長助勤、六番組組長、五番組組長、文学師範
- 流派
- 甲州長沼流軍学
- 出身
- 出雲母里
- 紹介
- 文久三年十月ごろ入隊。
- 引用リスト
新選組(上)
背の高い、やせて、もう五十近い武田観柳斎が、白装束の六部の姿に化け、背中に大きな天狗の面を背負っているのだった。 「なんだ、それは」 と、歳三が吹き出しそうな声をかけた。 「はあ、これは六部の姿ですが」 武田観柳斎はすました顔で答える。 |
- 秋葉守之助という架空の新選組隊士が主役の物語です。浪士組上洛から山南敬助脱走までが描かれますが、主役の秋葉の個人的な内容が多く書かれているような印象です。
- 引用の一節は、長州軍を探るために変装する武田観柳斎の様子です。六部とは全国の六十六ケ所を巡礼する者のことです。武田には似合ってなかったんでしょうね。
- 秋葉さんは刀でなくピストルで戦います!
- 主役の秋葉は自分を仇と狙う者を撃退したり、長州の桂小五郎一味を助けたり新選組の働きとは関係のないところで活躍するが、新選組隊士としては活躍しないのでなんだか物足りない感じじゃのう。
- 新選組ってタイトルなのに、新選組にあまり思い入れのない架空の人物が主役ってびっくりだな。
新選組 二千二百四十五日
『新選組始末記』は、武田の死を御陵衛士結成半年前の慶応二年九月のこととし、武田は薩摩藩への接近を意図していたため、新選組は斎藤一と篠原泰之進に伏見の同藩邸へ送行させ、途中で殺害させたと書いている。だが、武田が死亡したとき、斎藤と篠原は御陵衛士の一員となっていた。 |
- 新撰組が会津藩預かりに決定してから箱館戦争で土方歳三が討死するまでの二千二百四十五日間をタイトルにした一冊です。新撰組の数多くのエピソードを細かく章立てにし、史実をもとに綴られています。
- 新選組に暗殺されたとされる武田観柳斎の死に対しての一節です。
- 土方副長の残した「豊玉発句集」の好きな句、嫌いな句アンケートの結果なんかも載ってます。恋の道を読んだ有名なあの句は何位かな。
- 新撰組のエピソードの史料を凝縮したような内容かの。新撰組の特徴をよく表しているが、小説では見せ場にならない様なエピソードが多く載ってて興味深いぞ。
- 2245日って、6年ちょっとか。長いような短いような…
新選組の哲学
「そのことを忘れてしまったのは私の不覚ですが、しかし、近藤先生、忘れさせてしまうようなよさが新選組にはあるんですよ。そうはおもわれませんか」 どういうわけか、近藤には、この日の武田が一番立派にみえた。というよりも、この男の人となりがわかってきたような気がした。 |
- 本書に収録されている「教えたがりや武田観柳斎」の一節です。ある人の新選組に纏わる夢の話という形式で綴られています。武田観柳斎という男を、ただひたすらに人にものを教えたい人物として描いています。
- 武田さんがなんだか純朴な人って感じで、他の作品とイメージが違いますね。
- 教育者としては良いのかもしれんが、人斬り集団の中では煙たがられる存在だったのかのう。しかしおもしろい解釈で、他に収録されている作品も興味深い話が収録されておるぞ。
- 教えたがりって、そういう人たまにいるよね。
新選組血風録
土方は餅を箸でつまみあげて、あんた手を出しな、といった。 餅をくれるのかと思って掌をさしだすと、土方は笑いもせず、 「餅は私が食う。この一件に手を出してみろというのだ」 |
- 本書に収録されている「鴨川銭取橋」の一節です。武田観柳斎の性格や隊内での扱いが主に描かれています。
- 同期で入隊した山崎丞さんとは全く違う人生ね。
- 裏切るものは生まれつきとの論理は的を射ているのかもしれんが、身も蓋もないのう。
- 果たして観柳斎は餅をもうらうことができるのか!?餅をめぐる男たちのサスペンスストーリー。