新撰組

隊名について
武家伝奏、つまり朝廷より隊名が下されたことになっているが、実際は会津藩が命名し、形式的に伝奏方をとおしたにすぎない。天明八年(一七八八)に会津藩が軍制改革を行ったさいに、藩主の本陣に控える一隊として「新撰組」が存在している。彼らは「諸芸秀俊の子弟」(『しぐれ草子』)より選抜されたという。彼らの労に報いてこの名跡が与えられたのであって、江戸で誕生していた新徴組に対応させた名称でも、まして隊士たちが考案したものでもない。
「新選組」は「新撰組」とも表記されるが、字義的には「選」が正しい。「撰」は基本的に手作業にかかわる場合の用字であるのに対し、「選」には「人材を選ぶ」「もっとも優れた人物」の意味がふくまれ、近藤勇の手紙にも「新選組」とされた印が押されている。ただし、会津藩の文書などには「新撰組」とされたものが多く、両者が混用されていたことも事実だった。 引用元
引用リスト

だんだら


FOR BEGINNERS シリーズ 新選組


新選組の擁護は薩長政権に対する挑戦とみなされ、弾圧された。だから新選組の復権も、ゆがんだ形をとらざるをえなかった。薩長が描いたパターンを受け入れ、新選組を頑迷固陋の徒として描き出すことだ。武士道や大義名分との殉死である。滅びゆく男のロマンである。
もちろん、新選組にそうした面がないわけではない。その面を強調することで、新選組の復権を実現してきた郷里・多摩の関係者の努力は高く評価すべきである。その結果、多くの資料が保存され、新選組の再検証が可能になった。しかし薩長が提供した思考パターンに乗る限り、真相は見えてこない。
 引用元
武家新選組の歴史を多摩の後援者との繋がりに重点をおいて自由研究の発表のようなイラストで解説されている本です。フォー・ビギナーズとなっていますが、一般的に知られている話とは違う解説も多々あり読み応えのある内容になっています。
典医引用は著者あとがきの中の一節です。新選組といえば義に生きた真の武士とのイメージがありますが、それは時代背景によって作り出された見方であるとの説明です。
町娘読んでみて多摩の歴史に興味がわいてきました。
坊主天領多摩を治める江川代官と多摩の佐藤彦五郎、近藤勇との繋がりに注目すると、近藤の行動の理由の一端や人脈が浮かび上がってくる。興味深い一冊じゃ。
緑猫幕末は一介の志士たちが時代を引っ張った感じもするけど、実際は藩の高官だったり幕府の重臣の意思で事が動いていたみたいに、新選組にもそういう面があるのかな。

薩摩の秘剣


いろんな流派がありもしたが、自顕流のような激しか剣法はなかった。だからこそ、“薬丸自顕流はとにかく強かもの”と幕末期なんかは多くの人が一生懸命になって習うたわけです。素人で人を斬ったことのなか人でも、薬丸流を習うて新撰組に斬ってかかったら、ポソッと斬れた、というようなこともありもして、評判をとったようです  引用元
武家近藤勇に「薩摩の初太刀をはずせ」と言わせた野太刀自顕流について解説されている本です。混同しがちな示現流との違いや薩摩の教育の文化などについても書かれています。
典医引用の一節は、素人でも示現流を習得することで、人斬り集団の新撰組に勝ってしまうとの記述です。
町娘新撰組についての記述はほとんどありません。
坊主示現流の剣技や歴史についての解説もさることながら、著者自身の示現流に興味を持ったところからその指導的立場になること自体も興味深く読めたのう。
緑猫昔の剣術っていうのは戦のための鍛錬だけでなく、国を支える国民をレベルアップするための場でもあったんだね。

幕末志士の「政治力」


永倉たち古手の連中は同志的結合を近藤に求めている。ということは逆から見れば、組織としては同志的結合ではなく、決まりや規律によって統率できる集まりになっていたということである。
しかし、ただ単に冷たい組織の論理だけの集まりであれば、戊辰戦争の最終局面まで組織が維持できるわけがない。
新選組は設立から四年後、全員が幕臣に取り立てられ、近藤が若年寄格になっているが、基本的には浪士上がりの一治安組織にすぎない。にもかかわらず、鳥羽伏見の戦いを皮切りに、関東でも、奥羽越でも、そして北海道でも、「新選組」として戦い続けた。
 引用元
武家幕末の志士や権力者の政治家としての実力はどのようなものだったのか、現代の政治も交えてわかりやすく解説されています。
典医近藤土方は新選組を厳しい規律によって統制する組織として作ったが、結果的に幕末の最期まで残った数少ない組織となったとしています。
町娘国を預かるひととしての在り方など書かれていましたが、最終的に国を良くするためには選ぶ側が良くならなければいけないということでしたね。
坊主新選組の政治力以外にも、篤姫の江戸城無血開城への貢献や阿部正弘、井伊直弼の政策の違いなどもわかりやすく読み応え充分の内容じゃった。オススメの一冊じゃ。
緑猫浪士組時代の殿内派粛清のための芹沢近藤の連合、芹沢の悪行は本当のことか、新撰組が最期まで戦い続けられた理由…など、面白い内容がイッパイだった。

新撰組の光と影 幕末を駆け抜けた男達


筆者はかねてから、清河八郎派から分かれた近藤一派が、京都に残留し、守護職に微意を開陳したとき、なぜ、会津藩がやすやすとその申し出を了とし、この浪人集団を保護したのか疑問に思っていた。
過日、松平容保から四代目にあたる当主松平保定氏にお目にかかり、この点、うかがってみた。松平氏は、「近藤勇とは、江戸時代から知りあいだった、と聞いています」と答えられた。つまり、江戸の試衛館時代にも会津藩は近藤たちの面倒をみていたというのである。それが事実なら筆者の積年の疑問は解ける。
 引用元
武家新撰組の組織の在り方や攘夷についての考え、その他色々と細かいエピソードについて書かれています。登場する人の心情について多く書かれている感じがします。
典医引用の一節は、試衛館時代の近藤勇が既に松平容保と知り合いだったという記述です。子孫の方に聞いたとのことですが、あまり聞いたことがない内容でした。
町娘あとがきに著者の方の新撰組好きな様子が書かれていてちょっとおもしろかったです。
坊主新撰組の誕生から滅亡までの歴史や隊士の説明はあまりないので、新撰組は知っているがもっと細かいエピソードや考察を読みたいと思っている人にはよいかもじゃ。
緑猫この著者の方が書く芹沢鴨は独特だね。

隠された幕末日本史


多摩郷士出身で天然理心流が田舎剣法ならば、薩摩の誠忠組も辺境薩摩の芋食いどもで、その示現流も田舎の薪割り剣法にすぎない。土佐勤王党なるものも、いくらか武士らしいのは武市半平太くらいのもので、あとは、足軽か郷士か、もっとはなはだしい、無頼者上がりだ。
無頼者といえば、長州の奇兵隊もそうである。下層社会の出身者である点においては新選組にひけをとらない。新選組の多摩郷士上がり云々は、目糞鼻糞を嗤うの類である。
 引用元
武家会津藩や新撰組を中心に、幕末について色々と解説されている本です。
典医田舎者と言われることもある新撰組と、その他の幕末の組織についての記述です。
町娘武士として生きる者の心構えやあるべき姿がこうだというのが熱く書かれていますね。
坊主会津や新撰組を賞賛する記述が多い一方、薩長については結構手厳しい文面が多くみられるの。
緑猫新撰組の記述は全体の四分の一くらいかな。

BAKUMATSU! 新選組


あの坂本龍馬が伏見の寺田屋で取り囲まれた時、なんで龍馬さんは逃げられたか、スミス&ウェッソンの六連発というブランド物のピストルのおかげでもなければ、ハダカのまま二階に駆けのぼって急を知らせたおりょうさんのおかげでもない。
取り囲んだ方が弱いだけだ。
何百人、何千人で取り囲んでもピストル一発であとは押し合い、オマエが行け、そいつを前に出せと尻込みする奴ばかりだった。
それにひきかえ日野から来た不良どもは違う。ハングリーである。毎日エサをやっているのに頭をなでようとすると噛みつく狂犬みたいな奴らである。
 引用元
典医新選組の中核、日野近辺の隊士たちは野蛮で強く、ハングリーであるという記述です。

新選組解体新書


隊のはじまりは長州の奇兵隊だったといわれている。それまでは幕府や藩の公式な組織は「組」で呼ばれることが多く、新撰組や見廻組も幕府の期間としての役割が強かった。
これに対し高杉晋作は士農工商あらゆる階級から有志を集め、「正兵」に対し「奇兵」、「組」に対し「隊」をつけ、奇兵隊と名付けた非公式軍を編成した。
 引用元
典医「隊」と「組」についての説明です。

新選組解体新書


松山幾之助は、西国の動向を探るために岡山藩に潜入した。しかし、その情報が事前に漏れていたことから待ちぶせされ、備前勤王党に斬殺されてしまった。
長州出身の佐伯又三郎は、壬生浪士隊からのメンバーだったが、長州の久坂玄瑞に逆スパイと見破られて斬られたという説があるところをみると、長州藩の密偵でありながら、新撰組のために働いていたらしい。
村上謙吉は土佐陸援隊に潜入。二条城襲撃などの計画を事前に察知してそれを知らせていた。しかし、前から目をつけられていたので、坂本龍馬が暗殺された日に捕らえられ、土佐藩藩邸内で斬られた。
 引用元
典医新撰組から色々な組織へスパイとして潜入していた隊士についての記述です。

幕末テロリスト列伝


「私共の親類に桝屋喜右衛門と申す者がおりますが、養子の身で、一向に家業に精を出さず、家を外にして出歩き、いかがわしい者と交わり、時には刀を差したりして、意見も聞き入れず、親類一同ホトホト困っております。何卒、喜右衛門を教(戒)論して頂きたい」
という訴えがあった。
新選組といえば鬼のような殺戮集団と書く物がいるが、こうした家庭内の問題まで持ち込まれていたところをみると、治安だけでなく五人組や町役人的な信頼を得ていたことがわかる。
 引用元
典医新撰組が斬り合いだけでなく、町内の諍いごとまでも対応していたとする描写です。

新選組 二千二百四十五日


元会津藩士の山川大藏(浩。維新後、陸軍少将。男爵)が後年記した『京都守護職始末』には、こんな一文がある。
新選組、規律厳粛、士気勇敢、水、火といえども辞せず。
畏敬の念すら含んでいそうである。その思いこそは、彼らを支えた大藩の誰もが抱いていた認識だったかもしれない。
 引用元
武家新撰組が会津藩預かりに決定してから箱館戦争で土方歳三が討死するまでの二千二百四十五日間をタイトルにした一冊です。新撰組の数多くのエピソードを細かく章立てにし、史実をもとに綴られています。
典医会津藩士が新選組を評した一節です。
町娘土方副長の残した「豊玉発句集」の好きな句、嫌いな句アンケートの結果なんかも載ってます。恋の道を読んだ有名なあの句は何位かな。
坊主新撰組のエピソードの史料を凝縮したような内容かの。新撰組の特徴をよく表しているが、小説では見せ場にならない様なエピソードが多く載ってて興味深いぞ。
緑猫2245日って、6年ちょっとか。長いような短いような…

新選組 二千二百四十五日


『会津藩庁記録』には、新選組では、もし、松平慶永の下に配属された場合は「きゃつ天誅を加え候ほか、これ有るまじき」などと、隊士たちが相談していたという、物騒な風聞も伝えられている。それほどまでに、彼らにとって松平容保は、絶大な存在だったのである。  引用元
典医軍事総裁職に任じられた松平容保に代わって京都守護職に就任した松平慶永(春獄)に対し、新選組はあくまでも松平容保の配下としていたかったことを表す一節です。
緑猫松平春嶽だって新選組を配下にしたかったって訳でもないだろうに…

手塚治虫名作集11 新選組


「いつか近藤局長を おれはきらいだといったことがあったね  局長はただ強いだけだよ ああいう人間は先が長くない」
「局長の悪口を言うと許さんぞ大作っ」
「いわせてくれよ きみのためを思っていってるんだ  丘ちゃん そろそろ やろうぜ……」
 引用元
武家架空の若手新選組隊士、深草丘十郎と鎌切大作の新選組での生活や友情が描かれています。仇討ちが仇討ちを生み、恨みの連鎖が続きますが、手塚治虫特有のキャラクターたちのおかげか悲壮感は抑えめです。
町娘深草くんと鎌切くんとのおしるこ屋でのやりとりが好き。
坊主過去に自分が信じていたものを、苦しみながら投げ捨てて成長していく様は応援したくなるのう。
緑猫手塚治虫の漫画って必ず似たようなギャグみたいなのがちょこちょこ入るね。

新選組


新選組といえども
毎日が流血騒ぎであった訳もなく
何事も無い日の方が
多かったであろう…
何事もなくても──、
妙に…恐いことは…恐いなあ…
 引用元 
武家新選組のひと通りの歴史が、章立てでわかりやすく描かれていいるよ。一つ一つの章で新選組の代表的なエピソードが描かれていてすいすい読めるよ。
町娘絵がちょっとこわいかな。
坊主それぞれの隊士の想いが表情豊かなキャラクターで描かれておる。人斬りたちのぎらぎらとした表情はおっかないのう。
緑猫ラストが毎回ヘンなイラストになるね。

秘密の新選組(1)


対策だ!
秘密がバレない為には まずは内部からの露見を防がなくては!!
敵は身内だ!
嗅ぎつけた隊士に外に漏らされては大変だぞ!!
法度を作って局内を管理するんだ!
法度は何だっていい!!
問題は秘密を知ってしまった隊士の処分だ!
秘密を知った者は生きてここから出しはしないぞ!
 引用元
武家新選組には、飲むと乳房ができる秘密の薬があり、それを飲んでしまったために起こる破茶滅茶な物語です。ですが、女性の様になってしまったからこそ、新選組の其々の出来事が説明できる、という様な解釈で話が進みます。
町娘ちょっとドギツイ表現もあるから人を選びそうなお話ね。
坊主わしはまったくお勧めできんのう。
緑猫よくこんな話思いついたな。おもろいけど。

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