井上源三郎
- 役名
- 副長助勤、六番組組長
- 流派
- 天然理心流剣術
- 出身
- 武蔵日野
- 紹介
- 青年時代は兄松五郎とともに佐藤彦五郎道場に通い、剣の稽古に励んだ。やがて天然理心流近藤周助の門人となり万延元年に免許を許される。文久三年二月、浪士組に参加して上洛し、新選組の結成メンバーとなる。
- 引用リスト
沖田総司 六月は真紅の薔薇(上)
- 引用の一節は、徳川家を滅ぼそうとする者がいることが信じられない井上源三郎の台詞です。
サンクチュアリ THE幕狼異新(1)
“皆殺し”という言葉は敵の人数を把握してから使うものだ みな分かったね? |
- 引用の一節は、皆殺しにすると言ってきた敵方に対し複数で待ち構えていた井上源三郎の台詞です。井上は風の能力の使い手として登場します。
ひなたの狼 新選組綺談(2)
「つけてるのは どういった輩だろうね 狙われる覚えはあるかい?」 「ないなあ ここらは俺達数人で毎日巡回してるから それがうざったらしいのかもな」 「歳さんは人斬ったことあるかい?」 「ないよ どうして?」 「後ろで鯉口を切る音がした」 |
- 近藤派、芹沢派らの清河八郎暗殺失敗から精忠浪士組の新人隊士募集までが描かれています。あまり大きな出来事はおきないですが、隊士達の普段のやりとりが楽しげです。
- 引用の一節は、夜道を歩く井上源三郎と土方歳三の会話です。狙われているのに飄々としている感じが良いですね。
- 隊士募集では、美男五人衆の楠小十郎と佐々木愛次郎のキレイどころ二人が登場します。
- 沖田総司と山岡鉄舟の立合いの場面もあるぞ。
- 今のところ精忠浪士組で髷結ってる登場人物0。
新選組(下)
すべての敵を倒した源三郎は地上に倒れている妻子の許に駆けつけた。家族の名を呼んで抱き上げたが、すでに三人ともこと切れていた。地上ではまだ息のある敵がうめき声をあげている。 「おのれ、許さぬ」 源三郎は敵のかたわらへ寄ると一人ひとりその生死にかかわらず、何度も止めの刀を突き刺した。 |
- 森村誠一新選組の下巻です。油小路の変から、鳥羽伏見の戦い、そして箱館戦争を経て生き残った新選組隊士の明暗様々なエピローグまでが描かれています。
- 引用の一節は、京都から妻子と共に離れようとする井上源三郎が、入洛した長州兵たちに斬りつけられ応戦虚しく妻子を亡くしてしまった場面です。温厚と言われる井上にはあまり無い残酷な描写です。
- 新選組最後の隊長相馬主計さんが、影の目的を持って入隊した隊士として描かれています。
- 新選組の名が伝説的に鳴り響いていてその名を聞けば敵はひるみ、白兵戦では無類の強さで局地的にではあるが戦場を圧巻する場面は良かったのう。
- 誰に肩入れしてるでもない様な内容だから、落ち着いた感じで読めるね。
新選組(上)
「一つおれが行って見て来ようか」 井上源三郎が言いだした。井上は試衛館での最古参で道場ではあまり目立たないが、博奕には目がない。博才があり、江戸の賭場に出入りして、張り取ってきた金で道場の火の車財政を救ったことが度々ある。試衛館の貴重な才能であった。 |
- 近藤勇の幼少期から、新選組結成、池田屋事件などを経て武田観柳斎暗殺までが描かれています。試衛館に後の新選組幹部となる面々が訪ねてる場面や、浪士組が上洛する際の色々な揉め事、土方歳三が福島藩士を助ける場面など細かいエピソードも多く書かれています。
- 引用の一節は浪士組上洛の際に、いかさま博奕をしている祐天仙之助の賭場を調べに行くの台詞です。
- お梅さんが嫌われものでなくちょっと家庭的な感じで書かれています。
- 新選組を一枚板の集団としては描いていなく、隊を強化することだけに熱心で冷酷な土方、それに反感を持つ山南、永倉などとの隊内の衝突も描かれ、新選組は大切だが隊の方針は気に入らない、そんな関係が読み取れる。
- 将軍をやりたくない徳川家茂、わかっちゃいるのに貧乏くじを引いてしまう松平容保、山南敬助の心情描写が結構あっておもしろいね。
総司はひとり
「さあ、行こうぜ」 源三郎は総司の思い入れに斟酌なく、引き方に声をかける。その車のあとを歩む姿が、いくぶんガニ股ふうに見える。 ──どう見ても、多摩の百姓だぜ。 総司は噴き出した。一瞬、想った甘い音色も幻も、消えている。滑稽だが、篤実な男の汗が滲んでいるようだ。 |
- 井上源三郎の百姓らしい姿に可笑しくなってしまう沖田総司ですが、飾りのない誠実さそのものの井上に感銘もする様子です。