斎藤一
- 役名
- 副長助勤、四番組組長、三番組組長、剣術師範、会津新選組隊長
- 流派
- 無外流剣術
- 出身
- 江戸
- 紹介
- 文久二年に人を惨殺し、江戸より京都に逃亡、太子流の道場に身を寄せていた。翌三年二月、かねてよりの知己であった近藤らが壬生浪士組を結成したのを知り、これに参加する。
- 引用リスト
FOR BEGINNERS シリーズ 新選組
自分のことをめったに話さぬ謎多き人物だが、晩年、藤田五郎と名を変えてからも、多摩の天然理心流門人や縁者と交流していたことから見ても、斉藤は一点の曇りもなく、近藤が信頼を寄せ続けた同士であったといっていい。 |
- 引用の一節は、晩年の斎藤一が多摩の近藤勇ゆかりのひとたちと交流をしていたとの解説です。
幕末! 最後の剣豪たち
沖田総司、永倉新八と1、2を争う剣腕の持ち主だった三番隊隊長・斎藤一。壬生の狼と呼ぶにふさわしい容貌だったことは間違いない。一説には、身の丈5尺6寸(約170センチ、当時の男子の平均身長は約155センチ)、ヒゲを茫々と生やしていた、ともいう。一身これ肝の豺狼が幕末の京都に引き寄せられたのは運命だったのか。 |
- 斎藤一の外見についての記述です。
歳三からの伝言
歳三は短く笑った。 「お前がどうして山口二郎という名に変えたのか、考えていたのよ」 「別に。強いて言えば、一という名がいやだったのですかね。柱や壁の傷まで、俺の名に見える」 「なるほど。俺は、爺むさい名前だからいやになったのかと思った」 「安心しましたよ。小笠原公はじめ、会津へこられた方は元気がないのですが、副長には憎まれ口をきく元気がある」 |
- 改名した斎藤一と土方歳三の会話です。
新選組探偵方
「たのまれなくても、もう詮索にかかってますよ」 そういうと斎藤の顔がほころんだ。 「そうか、隊士が不審な死に方をすると、かならずおれがうたがわれる。近藤さんとか土方さんにたのまれて消したんじゃないかと」 うんざりしたように斎藤はいった。 |
- 沖田総司と島田魁が探偵方として数々の事件を探索する物語です。芹沢鴨暗殺、山南脱走、谷三十郎、武田観柳斎暗殺など新選組の通説となっている話の謎の部分を新たな切り口で解明していきます。引用の一節は、暗殺のたびに疑われてしまう、かわいそうな斎藤一の台詞です。
- 短編集の様だけど、大筋のお話はつながっている感じの本で読みやすいです。沖田さんと、ある方の妹の恋愛もあるんですが珍しく幸せなまま?お話は終わるからよかったです!
- 芹沢暗殺から油小路の変の前ぐらいまでの物語じゃが、京都の警察新選組といった内容かの。
- 新選組が好きなひとはそれぞれ自分の好きな新選組像を持ってると思うけど、新選組好きとしては好きな取りあげ方だったなあ。
輪違屋糸里(下)
しかし次の瞬間にお勝が見たものは、鞘を握り寄せたまま動けぬ永倉と、片膝立ってその頸筋にぴたりと刃を当てた斎藤の動かぬ姿だった。 「上手下手のわからぬ貴公ではあるまい。正眼に構えれば十中八九貴公の勝ちだが、この間合いならば、十中の十、俺は負けぬ」 |
- 輪違屋糸里の下巻ですが、タイトルにある糸里の話以外に水戸派隊士や近藤派の隊士についても色々と掘り下げられています。特に平山五郎や永倉新八、斎藤一など主役でないメンバーについても多く綴られています。引用した一節は、芹沢鴨暗殺の夜に対峙する居合の達人斎藤一と永倉新八の描写です。
- 島原の芸妓であっても、どんな境遇であっても自分の信じる道に正直に生きた糸里さんは、武士よりも武士になりたかった人たちよりも潔かったのかもしれないですね。
- 近藤の無骨さ、芹沢の豪快さ、土方の冷酷さ、沖田の純真、それぞれのイメージを崩さずそこにさらに人間臭さがあり、生き生きとしたものを感じたのう。
- 立合いの場面はあまり無かったと思うけど、登場する主要メンバーの強さが伝わってきてぞくぞくした。
輪違屋糸里(上)
あの斎藤一というやつは、剣士ではなく剣そのものだな、と。強い弱いではありませぬ。技とか力とかを越えたどこか遠いところで、あの男はおのれの体と剣がひとつになってしまっている。 そういう侍だからこそ、近藤先生の胸中をわがことのごとくに覗き見ることができたのでしょう。僕らがみな薄気味悪く思うている斎藤を、なぜか先生ひとりが可愛がるわけも、そう考えれば合点が行きまする。 |
- 本書は、芹沢鴨暗殺の場面に居合わせた四人の女性を中心にした物語で、この時代の女性の切ない立場と優しさなどが描かれています。この本では、浪士組上洛から蛤御門の変ぐらいまでが綴られています。引用した一節は、稽古で斎藤一と手合わせをした永倉新八の感想です。
- 島原の芸妓さんの生活が興味深いですね。
- この本では、水戸派の面々が多く登場するが、一般的にありがちな粗野で思慮に欠けた者たちといった描写ではなく、実力も余裕もある者たちの様に描かれておる。
- 斎藤は色んな作品で、いつも人斬りの雰囲気をもってていいね。
新選組副長助勤 斎藤一
「今度こそ、死ねるかもしれないなァ」 彼は甲斐々々しく出陣の用意を手伝っている妻にいった。 時尾は微笑んで答えた。 「斎藤一は不死身でございますよ。会津の仇を取ってきて下さいませ」 |
- 冷たく寡黙なイメージのある斎藤一ですが、本書では仲間の死や自分の裏切り行為に心を痛めたり、斉藤の柔らかい気持ちが描かれているよ。
- 女性や部下に優しい気づいかいをする斉藤さんがステキです。
- 強いが故に苦しい局面を何度も経験し、生き延び続けなければならないということは、悔いを積み重ねていくことにもなるのかのう。
- 一戸伝八って名前カッコイイね。